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街歩きや建物見学が好きな学生たちが集まり、年5回関西圏の建物を見学しています!
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梅雨真最中で過ごしにくい日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか?
7月1日、日曜日もあいにくの天気でしたが、18人もの方々がご参加下さいました。


京都府建築事務所協会の名和先生より、今回のご感想を戴きました。以下に転記致します。

<上方探索倶楽部>夏のレポート

洛中支部では建築を通して歴史や文化にふれよう、という企画で今年度も上方探索倶楽部を京都建築専門学校と合同で活動していきます。毎回さまざまなテーマで建築やまちを訪れることにしておりますが”ノスタルジックな風景”を感じようという思いが底流にあります。 もちろんこれに限らず幅広く皆様の考察や再発見に役立てて頂けると思い、今後のご参加をお待ちしております。また昨今の変わりゆく住宅やまちをみるにつけ、50年前に私たち世代が実体験した生活や空間を若い人たちに伝えていく事も大切だと考えるところです。 今年度第2回は7月1日(日) 近江八幡の近代に発展した商家の残る界隈と大正、昭和に建てられ、改修を経ながら今も残るヴォーリス建築を探索しました。

PM 0:10 近江八幡駅集合    ~ツアー開始はバスにて新町へ~

江戸時代の豪商伴家住宅は明治期には小学校として使われていました。5間×7.5間の大広間の梁は松で成1尺5寸ほどもあり桁は一本材です。次いで訪れた西川家は近江商家の典型で外壁妻側を黒く塗り、平面は店と居宅部分に分かれています。座敷までには幾つかの部屋を通ることになりますが来客には別に座敷玄関がありました。都合の悪い場合には店からではなくお忍びで家に出入りできるわけです。かの時代には住まいと商いの場、生産工場が街の生活の中にあり今とは規模が違うとはいえ、大げさに言えば国内の経済循環が暮らしの中にあったといえます。高い棟の瓦屋根が美しいフォルムでした。

そんな中に明治期にキリスト教の布教でヴォーリスがこの地にやって来、英語教育と並行した伝道活動が原因でその職を追われた後に建築活動を開始します。  私見ですが日本というのはポルトガルから東回りで到来したキリスト教が江戸時代の中断をへて、今度は西回りでアメリカからたどり着いた最後の地で、つくづく極東の世界の文化の吹き溜まりであることを感じます。

キリスト教と共に伝わった文化、技術は、閉鎖的な当時の日本に与えた影響はさぞ大きかったことでしょう。キリスト教は布教の経済的な基盤を重視することから、メンソレータムを作り販売し出すというのが面白いところです。筆者は子供のころ、近江兄弟社とう社名がキリスト教的な考えであることを知らず不思議に思ったものです。

旧八幡郵便局は和洋折衷というより混在した作りの、日本の材料を使って意匠をまとめた工夫が感じられます。正面左の窓廻りには上部に2連アーチを飾りさらに大きなアーチでくくる力強い若さが表れています。本来ならレンガで作りたかったのかもしれません。
屋根は洋瓦が無く仕方なく日本瓦にしたのでしょうか。

次いでしばらく歩き、ハイド記念館を訪れました。学校建築は流石、ここにもヴォーリスらしさが漂っています。上下の連窓にさらに左右に窓を続け、美しい意匠を作っています。 旧自邸やYMCAにも共通の意匠の煙突があり、この時代の日本には珍しい暖炉があったことが偲ばれます。今でさえ小規模のきわめて日本的な近江の町ですが、ヴォーリスには日本の良さに溶け込めた町だったのでしょう。

明治以降日本にきた多くの外国人のなかで日本に骨をうずめた、また違った一人といえるでしょう。伝道の地で家庭をもち、そこで生涯をおえたという、女性の力は偉大です。

雨の中移動してわずかな登りになっている道を東へ行くと、町家を福祉施設やギャラリーに改造した活用例があり、いくつか訪ね最後はかわらミュージアムを再訪しました。
瓦を焼くやぐらをモチーフにしたホールの形やチェッカープレート、天井の波型プレートなどにいささか陳腐化した感じもありますが、全体としては気を配ったその力の入れようが伝わります。

クラブハリエはあいにく満席で入れず、向いのたねやで休憩をとり帰路につきました。

ではまた次回の企画をおたのしみに。 記 名和建築研究所 なわ

※名和先生、ご感想ありがとうございました。参考になります。
名和先生の事務所








以下、私の感想で今回のことを振り返ります。

まず12:10にJR近江八幡駅に集合し、そこからバスで八幡彫近くまで移動。
はじめに新町通りの市立資料館を見学。

(画像をクリックすると、小窓でスライドが映ります。)

旧判家住宅






元商家を学校に、今では資料展示にと時代ごとに活用してきたそうです。

旧西川住宅






良い家です。 重要文化財です。(店の間は見忘れました、、)



ヴォーリズ建築は、近江八幡市に24つあるそうです。   ちなみに今回の資料です→ 

町中のヴォーリズ建築






個人的に表情が豊かな風に思います。

旧近江八幡郵便局舎






近年までに改変されたものを民間の方々(一粒の会)が復元されています。

近江兄弟社学園






ヴォーリズが設立した学校です。温かみのある雰囲気です。
(日曜日は休館でしたが、外観だけ見せていただけました。)



八幡彫り界隈の町並み。

町並み






雨道はつらいけど、町並みに癒されます。京都とはまた一味違う感じです。
古い建物を様々に活用されています。また新しい建物も景観に沿わせているようです。
住民の方々の協力で町が出来ているのがわかります。


お店






建物よるのか落ち着いた雰囲気です。今も昔も商売上手という風。

介護施設、美術館






アポ無しでしたがご好意に甘えて、町家を改修した老人ホームを見せていただきました。

次に行こうとしたところ豪雨に見舞われ、しばし足止め。
なかなか収まりませんが、少し弱まった頃合に出向きました。

かわらミュージアム






そうこうしていて時間が迫り、ここは建物全体をあまり見れなかったのが心残りです。
建物全体が展示物らしいのですが、もう少し見たかったです。(サイト)
屋根材を天上の仕上げ材したり、かわらを使った内装が面白いです。


最後に、ヴォーリズの建築を活用した洋菓子店「クラブハリエ」でお茶する予定でしたが、
こんな天気なのに超満員で断念し、向かいの「たねや」で一服しました。
クラブハリエ、さすが有名店です。開店直後や平日ならゆっくりできるでしょうか。
皆さん並んでお目当てだったバームクーヘンをお土産にされてました。
店内はしかしすごく混んでいたのに、不思議と落ち着いて魅力ある雰囲気でした。
近江八幡で他にも見たいところがあるので、また来ようと思いました。


たねや






たねやの和菓子もおいしくて、ほっと疲れが解ける一時。
店を出ると八幡堀は大増水してて圧巻でした。
5時頃のバスで駅に向かい解散。

こうして振り返ると大変な一日で、お疲れ様でした。
天気のことはどうにも出来ませんが、次回も実りある探索ができるとよいです。
皆様どうぞよろしくお願い致します。

 


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