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街歩きや建物見学が好きな学生たちが集まり、年5回関西圏の建物を見学しています!
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3月1日(土)
「春の湖北・長浜ツアー」のレポートです。


見学にご同行頂いた中京支部長の名和先生がレポートしてくださったので掲載させて頂きます!

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春めいてきた今日この頃ですが今回3月はいまだ雪の残る湖北長浜の町をたづねました。
AM11:00 米原をすぎ長浜まで来ると雪も道端に残っており気候の違いを感じます。気候が違えば風土も違い、町の成り立ちや近代以後の発展の仕方もこの町ならではのものがあります。 秀吉による築城で整備されたこの町は十人衆と呼ばれる年寄り役の自治に委ねられて近年まで発展してきました。町の中心部には安藤家や旧第百三十銀行、商家を再生したギャラリーなどがあり古い住宅街と商店街とで観光スポットとなっています。
 
安藤家は十人衆の商家で、現在の建物は明治38年に建てられた近代和風建築です。
べんがら格子、虫籠窓のつくりです。店と住宅、客をもてなす座敷の構成は京都のそれを手本にしているかもしれません。魯山人による篆刻などが有名ですがそれよりも各座敷のつくりが、障子の桟や欄間などにまで細かな工夫がありアキの来ないものになっていました。

また同じく北国街道に面して黒壁美術館にはエミール・ガレや同時代のアールヌーボーのガラス工芸品があります。和風の空間にアールヌーボーもよく似合い必見です。寒い日でも人が来てくれる町おこしの成功例となっているようです。

古い道を歩いていると水路をまたいで風景が変わります。石段が道から水路に降りていてかつて舟が生活の中にあったことがわかります。水路の先は湖です。
わき道を通って舟板塀の道を歩いて駅のほうへと戻ります。 朽ちかけた板塀が風情を感じさせてくれます。いわゆる黒壁スクエア界隈を見て廻ったわけですが、駅の近くには慶雲館があります。

慶雲館は地元の実業家浅見又造が、明治天皇行幸のおり私財を投じて作った総檜造りの寄棟2階建ての木造建築です。明治初期、鉄道が京都~大阪間はまだ測量も始まってないころ敦賀~長浜間には建設され、長浜~大津間は汽船連絡でした。その事業で財を成したのが浅見又蔵で琵琶湖と伊吹山が一望でき庭も見事なものです。
旧長浜駅舎は現存する日本最古のもので建物に上がり、浅見又蔵なる人物のことを知りました。ついでに別館のD51機関車の運転席に座ってみました。前方視界がほとんど見えない事に驚き、よくこんなものを運転できたもんだと感心します。

本年度はこれにて一応終了です。 ではまた新年度に。

記 名和建築研究所 なわ

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